本セミナーでは、マテリアルリサイクルを実現するうえで大きな課題となっているマルチマテリアル成形品の分別・接合・分解技術について、第一線の研究者による講演を通じて議論します。プラスチックと金属の複合化は軽量化・高機能化を実現する一方で、リサイクル時の材料分離を困難にしています。本セミナーでは、接合技術と分解技術の両側面からアプローチし、水平リサイクルの実現に向けた技術の展望を共有します。
自動車部品に多用されているプラスチック部品にはかつてないほどの大きな波が押し寄せている。2023年に公開された欧州のプラスチックリサイクルに関する規制案では、自動車に使われるプラスチックの25%を再生材で、さらにその25%は自動車からの再生材を使用しなければならないと謳われている。自動車部品の中でも金属や樹脂が複合化されたマルチマテリアル成形品は、それぞれのマテリアルに分解してリサイクルすることが困難とされている。
特に、接着剤を使用した金属と樹脂のマルチマテリアル成形品は、接着剤を完全に除去できないため、接着剤レスの接合技術やその分解解体が注目を集めている。今回のセミナーでは山形大学 伊藤浩志 教授・副学長、東京大学 梶原優介 教授、金沢大学 瀧健太郎 教授をお招きして、プラスチックを取り巻く環境、金属と樹脂の接合技術の高度化、金属樹脂接合品の分解技術についてご講演いただく。
【開催日時】2025年9月11日(木)13:00~17:00(受付開始:12:30)
【会 場】ウィンクあいち(愛知県名古屋市中村区名駅)
【参 加 費】16,500円(税込)/事前申込制
【主 催】プラスチックス・ジャパン株式会社
近年、環境問題が世界的に注目される中で、資源循環技術としてのマテリアルリサイクルは、バージン材同等の性能を目指すも多くの課題に直面しています。本講演では、成形工程での熱履歴や経時変化、異種材料混入などによる物性変化のメカニズムに加え、大型プロジェクトや企業の取組事例を紹介。さらに、講師らの最新研究として「リサイクル材料の熱劣化」「高次構造制御」「長期安定化」に関する成果を解説し、循環型社会実現に向けた展望を示します。
1990年 山形大学大学院修了後、沖電気工業を経て、鶴岡高専・東京工業大学を歴任。博士(工学)。2007年より山形大学准教授、2010年教授。現在は副学長および卓越研究教授として、材料循環・成形加工分野の研究と教育に従事。
軽量化の進む自動車産業では、金属部品のプラスチックへの置き換えが急速に進行し、金属とプラスチックの直接接合技術が求められています。本講演では、金属表面に微細構造を形成し、射出成形によって溶融プラスチックを流し込むことで得られる「アンカー効果」に基づく成形接合法について解説します。特に、ブラスト処理や熱水処理による安価で簡便な表面処理法を用いた直接接合の事例と、接合強度の決定因子・接合メカニズムに加え、接合体の分解技術についても紹介し、基礎から応用展開まで幅広く取り上げます。
東京大学大学院博士課程修了(工学)。2007年より東京大学にて研究職に従事し、2016年にはインペリアル・カレッジ・ロンドンの客員研究員。2023年より教授。接合・分解などマルチマテリアルの加工研究を推進中。
近年の自動車や電子機器などの製品では、金属とプラスチックを接合・接着したマルチマテリアル部品の使用が拡大していますが、これらの部品の界面は極めて強固であり、マテリアルリサイクルの障壁となっています。本講演では、JST CREST「分解と安定化」領域の支援による研究成果として、界面に気泡核を生成させて分離を促進する技術を紹介します。せん断剥離強度が20 MPa以上ある接合界面に対して、界面で気泡を成長させることで99%以上の荷重低減を実現。さらに、PC、PPS、PA、PPとアルミ合金の接合材やアルミパウチなどへの適用事例を、実物も交えて解説します。
京都大学大学院で博士号取得後、山形大学を経て金沢大学教授。2022年よりフロンティア工学系教授。JST CREST「分解と安定化」領域にて研究代表者として活躍中。
別途、接合・分離関連技術をプレゼンしてくださる企業様・公設試様を募集いたします。
開催予定です。
参加希望者の人数に応じて手配します。
プラスチックス・ジャパン株式会社
〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンCB棟3階
主催者連絡先 秋元英郎(info@plastics-japan.com 070-3849-1263 043-296-8130)
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