高分子の研究開発と国内・海外工場での生産に関する基本技術や重要事項を
経験豊かなベテラン講師陣が判りやすく解説します。
化学産業、高分子材料・高分子加工の学び直し、工場運営、海外対応などに
興味のある方は是非、受講ください!
2019年4月12日~7月26日 金曜日に15回 それぞれ、18:30~20:00
キャンパスイノベーションセンター東京5Fリエゾンコーナー(JR田町駅前)
東京・知の市場
化学産業は、20世紀の高度経済成長期に大きくその生産能力を伸ばすとともに、高分子分野に見られるように、製造から最終製品までの長いバリューチェーンの要所で多くの産業を生み出し、育ててきた。21世紀になって、化学産業を取り巻く環境は大きく変わろうとしているが、今一度ここまでのプラスチック・ゴム産業における要素技術の歩みを振り返るとともに新しい動きを掴み、将来を展望する。具体的にはポリエチレンなど汎用高分子と、TV、スマートフォンなど各種電子製品に使われる機能性高分子を中心に、各要素技術について具体的に初心者にも理解しやすく解説する。また事業の海外展開にあたり、工場建設からその運営、海外での研究開発施設の運営、合弁事業の企画、等に従事した経験者が、人事制度を含め、異文化の中で事業展開に必要な基礎的事項を盛り込んで説明する。
人間は多様な危機に曝されつつ多様な機会に巡り合う中で技術革新、制度改革、人材改新を通して社会変革を成し遂げながら生活をしてきた。しかし日本も世界も未だ多くの課題を抱えている。こうした中において自らを活かしつつ社会と世界において活動を展開していく幅広い基盤を固めるためには、広範な教養を高めていくことが必須である。
社会の幅広い領域において諸々の機関が人々の多様な要請に応えて学習の機会を提供している。また、多彩な背景を持つ人々がそれぞれの立場で役割を担いつつ勉学に励んでいる。こうした力を糾合して新たな総合的かつ実践的な学習の機会を創成するべく「知の市場(FMW:Free Market of・by・for Wisdom)」を開設する。
「知の市場」は、自立的で解放的な協力関係を形成しながら人々が自己研鑽と自己実現のために立場を越えて自ら活動する場(Voluntary Open Network Multiversity)である。そしてプロ人材の育成と高度な教養教育の接合及び社会人教育と学校教育の結合という二つの融合を促進する挑戦である。
(高分子工業、プラスチックの製造法、原料ソース多様化、高性能化のための分子設計・製品設計)
化学産業は文字通り化学を基礎とし、新しい機能を有する物質を創出する産業である。簡単に化学の歴史を振り返り、化学産業、その中でも大きなウエイト占める石油化学産業、高分子工業について解説する。
これまで石油を原料として製造されている化成品を、未利用の廃グリセリンから製造する技術開発について解説する。グリセリンをバイオ技術によって、汎用的な中間原料へ変換し、続いて触媒反応によって、さまざまな高付加価値化学品原料を生産する一貫工業プロセスを確立し、これによって地球のCO2増加を防ぐことができる。
ポリオレフィンの製造において重合触媒は鍵技術である。ポリオレフィン工業は,1950年代に発見された固体触媒を基礎に発展してきたが,1980年代に高活性な均一系触媒が見いだされ,現在では,これらの触媒を用いて様々なポリマーが製造されている。本講義では,それぞれの重合触媒と製造されるポリマーの特徴について解説する。
省燃費タイヤにおけるウエットグリップ性と ころがり摩擦抵抗のように、相反する性能を同時に満足するための材料設計は、重合技術に基づく精緻な分子設計や配合技術の集大成である。この製品例に見られるような重合~構造制御~高性能化というアプローチによる製品開発について解説する。
計算機を用いて分子や高分子材料・製品の設計を行う「計算材料科学」が産業においてどのように発展してきたか、そしてこの手法が化学産業、高分子産業においてどのような役割を果たしているかを、実例を挙げながら解説する。
プラスチック・ゴム製品には安全で、長く安心して使用できることが求められるため、メーカーは種々の方法で材料・製品の耐久性能を評価し、改良している。空気中での熱や光による酸化、放射線や繰り返し応力など、各種劣化の化学を基礎から解説する。
プラスチック・ゴムに対する各種耐久性評価法、それを利用した寿命予測法、劣化と安定剤との関係、および劣化の極初期を捉える「化学発光法」による劣化度評価について解説する。
(海外での工場運営、R&Dに必要なもの)
日本と海外での石油化学コンプレックスにおける工場運営の基本的必須事項について解説する。グローバル化が進展する中、「コンプレックスの競争力強化」は国内石化産業の喫緊の課題であり、国内外の工場運営の経験から異文化対応も含めて実例を紹介しながら、その方策にについて考察する。
石油依存からの脱却を目指すサウジアラビアは、日本にとっても非常に重要な国であることに変わりはなく、投資機会や他のビジネスチャンスも広がってきている。サウジにおける石油精製の川下産業としての高分子工業の現状と将来構想について、日本企業がサウジに進出したプロジェクトを例に、その一端を紹介する。
ABS樹脂の海外展開について、インドや中国での合弁事業の企画段階から現地での事業展開までの経験に基づいた話題、および海外合弁先との契約にあたり必要な法務手続等、各国での事業環境の違いによる考慮すべき重要事項などについて解説する。
(サウジアラビアをよりよく理解するために)
サウジアラビアは、厳格なイスラム国家であり、その文化、宗教、教育、個々人の資質などを理解することは極めて重要である。以下、サウジという国のみならずそこに暮らす人々とその生活を紹介しながらその社会を論じる。本講では生活の中のイスラム教とアラビア風ならびにサウジを取り巻く諸事情を論じる。
サウジにおける大学教育の実情を紹介するとともに、各種研修センターの実情を解説する。そして、そこから見えてくるサウジの若者の就業意識と就職事情を論じる。さらに、ついに女性の社会進出に大きな影響をもたらす自動車の運転が解禁されたが、そうした状況の中での女性の社会進出の現状と今後について論じる。
現在、約1,300人の日本人がサウジアラビアで暮らしている。断食月であるラマダン中の食事に対する厳格な制限などを含めた日々の暮らしぶりとともに、サウジ人や他の外国人との関係、日本人同士の付き合いなど、文化、宗教などが大きく異なる地での生活について紹介する。
サウジ国内の、空港・港湾設備、電力事情、給排水事情の現状と将来構想、ならびに、年間の交通事故死者数が人口比で日本の約6倍であり、テロの脅威より怖い交通事故とささやかれる交通事情を論じる。また身近に感じたサウジの役所事情についても論じ、次講(サウジビジョン2030)に話を展開していく。
石油依存から脱却しつつ包括的な発展に向けて経済や社会の改革に取り組むこと宣言したビジョンが発表された。これを読み解くことにより、サウジの現状と将来展望を浮き彫りにする。さらに日本との間でも連携につき意見交換が行われ、具体的な共同プログラムが進み始めた。それらの内容、課題などについても説明する。
申し込みは下記の「東京知の市場」のHPからできます。
http://chinoichiba.org/pg219.html
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