お知らせ 知の市場2018 「化学産業特論a」を開講します

知の市場2018 化学産業特論a を開講します。

副題:プラスチック・ゴムを中心に、化学産業における基本技術と事業化について理解を深める

開催日時

2018年4月8日~6月3日 日曜日に7回 それぞれ、14:10~17:15

開催場所

放送大学東京文京学習センター

開講機関

東京・知の市場

概要

化学産業は、20世紀の高度経済成長期に大きくその生産能力を伸ばすとともに、高分子分野に見られるように、製造から最終製品までの長いバリューチェーンの要所で多くの産業を生み出し、育ててきた。21世紀になって、化学産業を取り巻く環境は大きく変わろうとしているが、今一度ここまでのプラスチック・ゴム産業における要素技術の歩みを振り返るとともに新しい動きを掴み、将来を展望する。具体的にはポリエチレンなど汎用高分子と、TV、スマートフォンなど各種電子製品に使われる機能性高分子を中心に、各要素技術について具体的に初心者にも理解しやすく解説する。また事業の海外展開にあたり、工場建設からその運営、海外での研究開発施設の運営、合弁事業の企画、等に従事した経験者が、人事制度を含め、異文化の中で事業展開に必要な基礎的事項を盛り込んで説明する。

知の市場の理念について

人間は多様な危機に曝されつつ多様な機会に巡り合う中で技術革新、制度改革、人材改新を通して社会変革を成し遂げながら生活をしてきた。しかし日本も世界も未だ多くの課題を抱えている。こうした中において自らを活かしつつ社会と世界において活動を展開していく幅広い基盤を固めるためには、広範な教養を高めていくことが必須である。
社会の幅広い領域において諸々の機関が人々の多様な要請に応えて学習の機会を提供している。また、多彩な背景を持つ人々がそれぞれの立場で役割を担いつつ勉学に励んでいる。こうした力を糾合して新たな総合的かつ実践的な学習の機会を創成するべく「知の市場(FMW:Free Market of・by・for Wisdom)」を開設する。
「知の市場」は、自立的で解放的な協力関係を形成しながら人々が自己研鑽と自己実現のために立場を越えて自ら活動する場(Voluntary Open Network Multiversity)である。そしてプロ人材の育成と高度な教養教育の接合及び社会人教育と学校教育の結合という二つの融合を促進する挑戦である。

 

 

シラバス

プラスチック・ゴムの基礎

(高分子工業、プラスチックの製造法、原料ソース多様化、高性能化のための分子設計・製品設計)

1.化学と化学産業、および高分子工業

2018年4月8日 講師:角五正広(岩田商会)

化学産業は文字通り化学を基礎とし、新しい機能を有する物質を創出する産業である。簡単に化学の歴史を振り返り、化学産業、その中でも大きなウエイト占める石油化学産業、高分子工業について解説する。

2.高分子の多様性

2018年4月8日 講師:角五正広(岩田商会)

「高分子」は「polymer」と言われるが、「monomer(単量体)」を多数(poly)結合(重合)して得られる。単量体の結合の仕方で多様な性質を持った高分子が得られることを解説する。

3.バイオ技術を利用し化学と触媒技術で作る基幹化学製品

2018年4月15日 講師:新井隆(ダイセル)

これまで石油を原料として製造されている化成品を、未利用の廃グリセリンから製造する技術開発について解説する。グリセリンをバイオ技術によって、汎用的な中間原料へ変換し、続いて触媒反応によって、さまざまな高付加価値化学品原料を生産する一貫工業プロセスを確立し、これによって地球のCO2増加を防ぐことができる。

4.ゴムの構造制御による高性能製品開発

2018年4月15日 講師:今井昭夫(テクノリエゾン事務所/北海道大学)

省燃費タイヤにおけるウエットグリップ性と ころがり摩擦抵抗のように、相反する性能を同時に満足するための材料設計は、重合技術に基づく精緻な分子設計や配合技術の集大成である。この製品例に見られるような重合~構造制御~高性能化というアプローチによる製品開発について解説する。

5.化学産業における計算材料科学の歩みとその実例

2018年4月22日 講師:石田雅也(住友化学)

計算機を用いて分子や高分子材料・製品の設計を行う「計算材料科学」が産業においてどのように発展してきたか、そしてこの手法が化学産業、高分子産業においてどのような役割を果たしているかを、実例を挙げながら解説する。

6.CAEを利用した樹脂製品の設計・開発

2018年4月22日 講師:東川芳晃(トガワテクノリサーチ)

プラスチックのCAEは、現在、自動車、家電、OA機器、各種容器等、プラスチック成形品の設計支援や製品特性のシミュレーションに必須の技術として活用されている。本講では、プラスチック分野におけるCAEの基本的な利用法について解説し、さらに振動解析や衝撃解析事例についても紹介する。

プラスチック・ゴムを利用する

7.高分子材料・製品の長持ちの科学(1)

2018年5月13日 講師:細田覚(京都工芸繊維大学)

プラスチック・ゴム製品には安全で、長く安心して使用できることが求められるため、メーカーは種々の方法で材料・製品の耐久性能を評価し、改良している。空気中での熱や光による酸化、放射線や繰り返し応力など、各種劣化の化学を基礎から解説する。

8.高分子材料・製品の長持ちの科学(2)

2018年5月13日 講師:細田覚(京都工芸繊維大学)

プラスチック・ゴムに対する各種耐久性評価法、それを利用した寿命予測法、劣化と安定剤との関係、および劣化の極初期を捉える「化学発光法」による劣化度評価について解説する。

9.新しいエレクトロニクスの芽生え

2018年5月20日 講師:山田武(住友化学)

有機材料が性能発現の鍵材料となる「有機エレクトロニクス」は、無機物主体のエレクトロニクスに変革を及ぼすものとして、精力的に研究が進められている。その先頭を走っている「有機EL」について、身の回りでの適用例を中心に、その原理、性能の秀逸さなどについて解説し、今後の進化の方向性と世の中への受容性について議論する。

10.マラリア対策のためのプラスチック加工製品

2018年5月20日 講師:庄野美徳(住友化学)

オリセットはポリエチレン樹脂に防虫剤を練りこんだ糸で作られた、世界最初の長期残効性防虫蚊帳(LLIN)である。現在でも世界で年間40万人以上が死亡する極めて深刻な感染症のマラリアによる死者数をここ十数年で半減することに大きく貢献した。オリセットの開発の経緯、効果のメカニズム、さらには今後の展望について解説する。

事業のグローバル化への対応

11.石油化学コンプレックスの運営と競争力強化に向けた課題

2018年5月27日 講師:鈴木孝利(元住友化学)

日本と海外での石油化学コンプレックスにおける工場運営の基本的必須事項について解説する。グローバル化が進展する中、「コンプレックスの競争力強化」は国内石化産業の喫緊の課題であり、国内外の工場運営の経験から異文化対応も含めて実例を紹介しながら、その方策にについて考察する。

12.サウジアラビアでのプラスチック加工産業育成への支援

2018年5月27日 講師:山口登(元住友化学)

サウジアラビアの政策としてのプラスチック加工産業育成を支援するために、準備段階から現地での施設立ち上げまでを実行した。その中で経験から得た様々な分野の重点課題について解説する。

13.樹脂メーカーのグローバル事業の地域別戦略と展開

2018年6月3日 講師:今井昭夫(テクノリエゾン事務所/北海道大学)

ABS樹脂の海外展開について、インドや中国での合弁事業の企画段階から現地での事業展開までの経験に基づいた話題、および海外合弁先との契約にあたり必要な法務手続等、各国での事業環境の違いによる考慮すべき重要事項などについて解説する。

14.人間力・地域力・社会力

2018年6月3日 講師:増田優(放送大学講師)

海外に事業展開する日本企業が求めるものと受け入れる国や社会が求めるものとが、時として微妙にずれることがある。その大きな原因の一つに、日本人が世界の人々が羨む価値を有することを自覚していないことがある。サウジアラビアなどでの経験を基に昨今の来日観光客の急増なども視野におきながら日本の価値(日本力)について論じる。

 

申込方法

申し込みは下記の「東京知の市場」のHPからできます。

http://chinoichiba.org/lwwchp/index.html