環境先進国ドイツの最新成形技術を日本に伝えるアーブテクノ

アーブルグ(ARBURG)の廃プラスチック問題への取り組み

ARBURGは現在大きな問題となっている廃プラスチックの削減とその応用について長年研究を続けています。

廃プラスチック問題を早期に解決するためには、廃プラスチックの応用範囲を拡大する必要があります。

ARBURGは廃プラスチックの射出成形分野における応用範囲を拡大するために、機械制御、機械機構、成形方法の開発に取り組んでいます。

arburgGREENworld

ARBURGは、サーキュラーエコノミー(循環経済)と資源の効率的な使用のため、材料の有効な利用に関するarburgGREENworldを構築し、それに基づく成形方式に対応した機械、設備と制御技術を開発し、K2019において展示・実演しました。

arburg GREENworldの基本的な目標

プラスチックは多くの点で人々の生活を豊かにする材料です。多くの分野で使用され、効率的に活用されている「リサイクル可能な貴重な素材」でもあります。

arburgGREENworldの基本的な目標は、資源の保護、リサイクルの確立、効率の向上であり、これらによって付加価値のある効率的な循環経済を構築することが可能になります。

ARBURGは、持続可能な生産を確保するための幅広い解決策とプラスチックの成形加工の分野で要求される重要な問題点を解決する手段を提供します。

サーキュラーエコノミーの実践例

効率的な機械技術のための「グリーンマシン」

資源に優しい生産は、射出成形機を省エネルギーな方法で操作し、使用される材料を確実かつ効率的に処理することから始まります。特にリサイクルおよびバイオプラスチックの場合に高品質な機械技術と広範なプロセスの専門知識が不可欠です。ARBURGの「グリーンマシン」は、これらの願望に体系的に対処しています。省エネルギー化によって二酸化炭素排出量を最小限に抑えます。

  • ARBURG公式写真

革新的なプロセスとリソースに優しい生産のための「グリーンプロダクション」

「グリーンプロダクション」の目的は、貴重な素材を効率的に成形することです。資源を節約することで生産効率が向上します。バリューチェーン全体の新しい技術とデジタルネットワークは、持続可能な循環経済と競争力の向上を促進します。

デジタル化とは、情報を直接交換することです。これは、材料の使用や機械の使用からコンポーネントの品質まで、生産で何が起こっているかを常に把握できることを意味します。ARBURGは技術およびシステムパートナーとして、生産プロセスを透明化し、お客様と協力してリサイクルシステムの基盤を構築します。

  • ARBURG公式写真

サービスとノウハウの転用を含む「グリーンサービス」

ARBURGは資源に優しい生産やプラスチック製品の再利用性(リサイクル設計)などの重要な問題を積極的に追求しています。私たちにとって、例えば生産効率、二酸化炭素排出量、リサイクル品の使用など、専門知識の伝達と適切なアドバイスは、これに不可欠な要素です。

生産とリソースの効率を高めるために、バリューチェーン全体に注目します。これには、プラスチック部品の生産に必要な材料とエネルギーの最小化、リサイクル性の向上、使用済みリサイクル品の使用可能化、廃棄物の回避などの側面が含まれます。また、機械寿命を最大化することにも焦点を当てています。

  • ARBURG公式写真

リサイクルした材料の処理、社内プロセスのために開発した「グリーン環境」

ARBURGは1923年に設立されて以来、黒い森のロスバーグでのみ製品を製造してきました。このことが私たちを形作っています。そして、2012年という早い時期に品質、環境、エネルギーの3分野で認証を与えられた最初の企業の1つでした。

生産プロセスを体系的に最適化して、生産性と資源効率を高めています。ロスバーグの中央生産施設は、二酸化炭素排出量が非常に小さくなっています。これに寄与する要因には、効率的なロジスティクス、社内生産比率の高さ、環境に優しいプロセス、および天然資源と再生可能エネルギーの使用が含まれます。

arburg GREENworldの現状

お客様の省エネ化と循環経済に対するサービス

arburugGREENworldの4分野のうち、グリーンマシン、グリーンプロダクション、グリーンサービスはユーザーにおける省エネ化と循環経済に対するサービスです。例えば機械の二酸化炭素排出量の最小化、リサイクル材やバイオプラスチックの活用、生産効率の向上、革新的なプロセスの提案、アプリケーション技術、原材料並びにエネルギー効率化等のサービスです。

ARBURGは自社の生産において、何十年もの間、資源保護と環境保護の世界的なリーダーでいます。原材料の使用を最小化し、環境に優しいプロセス、効率的な物流、天然資源や再生可能エネルギーの使用等、循環経済に貢献してきました。これらはグリーン環境として評価されています。

二酸化炭素排出量の継続的な削減

ARBURGは二酸化炭素排出量削減のために、お客様とともに次の行動をしています。

  • 生産効率向上を企業戦略の一部にして、生産性向上に取り組む
  • 経済的に優れた装置を採用する(低摩耗運転システム、水冷駆動システム等)
  • 材料使用を効率化する(材料使用量の削減)

グリーンマシン

ARBURGの革新的な機械技術、スマート制御システムと優れたサポートシステムによって、省エネ運転やリサイクル材の適切な使用が可能になるので、ARBURGの機械の導入は将来に向けた最良な投資になります。

最新の技術

ARBURGの機械には最新の技術が採用されています。例えば、摩耗の少ない遊星ローラーネジ駆動のスクリュ制御機構、各駆動軸の水冷式駆動モータ、各種アプリケーションに対応した可塑化コンポーネント等は高度な信頼性を有しています。

適合機種の選択

ARBURGの射出成形機はモジュラー方式に対応可能であり、長期間使用でき、将来への投資になります。例えばキューブ金型対応機を導入すると、必要な射出成形機の台数を半分に減らすことができ、スペースが削減でき、生産エネルギーを削減することができ、生産方式の選択肢が広がります。

CUBEモールド専用成形機(ARBURG公式写真)

スマートプロセス

ARBURGの機械制御システムは資源を積極的に節約できるように広範囲な可能性を提供し、実践的に対応できる支援パッケージによって複雑な生産プロセスが合理化できます。

例えば、「可塑化アシスタンス機能」を使うと、成形材料の状態を素早く評価でき、可塑化におけるスクリューの位置を無段階に微調整できるので、射出成形のプロセスの高い安定性が確保できます。

K2019における実演内容

カップの成形

カップの成形は薄肉成形品仕様のハイブリッド成形機ALLAROUNDER 1020Hで行いました。バージンPPとオーストリアのEREMA社による家庭ごみからのリサイクルPPを70:30の比率で混合した材料による成形です。

キャビティが8+8のスタック金型でサイクルタイム4.3秒で成形を行いました。スタック金型を使用したため、通常の16キャビ金型を用いるよりも型締力が小さくて済みました。

 

ドアハンドルの成形

リサイクルPPとエラストマーを用いた射出成形機のドアハンドルの成形実演

この成形は2材成形であり、ProFoam発泡技術と金型内組立技術を組み合わせた実演である。

電動射出成形機ALLAROUNDER 630AにMULTILIFT Vロボットシステムを備え、金型は1+1+1キャビティ金型(異なる3つの形状のキャビティ)を使用して実演しました。以下に成形の流れを示します。

金型から製品を取り出した後、金型に2つの金属ブッシュをインサートします(完成後に取り付けるため)。次に、インデックスユニットを介して金型が180度回転して、初期位置に戻ります。

2つのドアハンドルのハーフを製造するために、家庭廃棄物からリサイクルされたPPがProfoam発泡プロセスで成形されます。金型を開くと、ハンドルの上部が可動側に、下部が固定側にあります。上部と下部は90度ずれた位置にあります。金型を 90度回転させて2つの発泡成形部品を金型内で組み合わせます(勘合させます)。

続いてさらに90度回転して第3のキャビティ移します。そこで柔らかいTPEを部分的にオーバーモールドします。ソフトタッチ効果を備えた93グラムのリサイクル材を使った軽量構造部品を作成するには、約62秒のサイクル時間しかかかりません。コンパクトな射出成形と比較して、発泡グリップは約10%軽量です。

MULTILIFT Vロボットシステムと1+1+1キャビティ金型を備えた電動ALLAROUNDER 630A

ARBURGについて

ARBURGは1923年にドイツのローズブルクでその歴史をスタートし、現在は世界最高レベルの技術を持つ射出成形機メーカーとして世界中のお客様と一緒に価値の提供を続けています。

ARBURGは大量生産から一回限りの部品まで:ALLROUNDER射出成形機、ターンキーシステム、産業用3Dプリンター(積層造形装置)「フリーフォーマー」を備えたモジュラー製品ポートフォリオは、あらゆる要件に合わせて個別に適合した効率的な生産ソリューションを提供します。

ハイライト

モジュラー:125〜6,500 kNのクランプ力を備えた電動式、ハイブリッド式、油圧式射出成形機
柔軟性:通常のペレットを使用する産業用3Dプリンター
ユニバーサル:機械制御システムに統合されたロボットシステムと多軸ロボット
見える化:さまざまなソフトウェアツールによる生産の最適化
一人ひとりに:ARBURGの代理店網から包括的なテクノロジーを備えたターンキーソリューションの提供
詳細な情報:顧客サポート、プラスチック加工の専門知識、およびサービスへの体系的なアプローチ

有限会社アーブテクノについて

会社概要

社名 有限会社アーブテクノ

本社所在地 〒973-8406 福島県いわき市内郷高野町柴平80-6
TEL:0246-45-1911 FAX:0246-45-1912

メール連絡先:m.takahagi●arbtechno.com(●を@に置き換えてください)

西日本支店 〒592-0005 大阪府高石市千代田5-10-33
TEL:080-8217-3662

スペアーパーツセンター 〒973-8406 福島県いわき市内郷高野町柴平80-6

設立 1999年3月24日

沿革

ドイツの射出成形機製造メーカーであるアーブルグ社は日本において代理店、現地法人を含めて40年以上の実績があり、日本における販売体系を1999年に変更いたしました。これに伴いアーブルグの豊富なノウハウ、経験ならびにアフターサービス、技術サービスの提供のために有限会社アーブテクノを設立しました。

その目的は、アーブルグ社の会社方針であるアフターサービスならびに部品の在庫管理、即納体制を組織し、全世界共通のアフターサービスクオリティーを保障するためです。

またドイツの最新技術、成形方式の技術情報ならびに提供をサポートしています。

アーブルグの射出成形機の関連設備として、ヨーロッパの最新技術に基づく周辺装置、機器ならびに金型の輸入販売業務も行っております。