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人間は多様な危機に曝されつつ多様な機会に巡り合う中で技術革新、制度改革、人材改新を通して社会変革を成し遂げながら生活をしてきた。しかし日本も世界も未だ多くの課題を抱えている。こうした中において自らを活かしつつ社会と世界において活動を展開していく幅広い基盤を固めるためには、広範な教養を高めていくことが必須である。
社会の幅広い領域において諸々の機関が人々の多様な要請に応えて学習の機会を提供している。また、多彩な背景を持つ人々がそれぞれの立場で役割を担いつつ勉学に励んでいる。こうした力を糾合して新たな総合的かつ実践的な学習の機会を創成するべく「知の市場(FMW:Free Market of・by・for Wisdom)」を開設する。
「知の市場」は、自立的で解放的な協力関係を形成しながら人々が自己研鑽と自己実現のために立場を越えて自ら活動する場(Voluntary Open Network Multiversity)である。そしてプロ人材の育成と高度な教養教育の接合及び社会人教育と学校教育の結合という二つの融合を促進する挑戦である。
社会で一般に使われているプラスチック・ゴムの基礎から応用までを学び直す場として、「知の市場」の講座を4月から開講します。
(知の市場HP;http://chinoichiba.org/index.html)。
汎用ポリマーに関する触媒、製造プロセス、基本物性、加工技術、製品設計など要素技術をベースに構成し、初心者にも理解しやすい講義としています。
受付が既に始まっていますので、受講希望の方は知の市場ホームページからお申し込みください(無料)。
連携機関;お茶の水女子大学 ライフワールド・ウオッチセンター
科目名;プラスチック・ゴム概論
科目No.;関連講座CT527
場所;お茶の水女子大学・理学部1号館401号室
日時;2016年4月13日~6月8日。毎週水曜日18:30-20:30
2016年4月13日 今井 昭夫(元・住友化学)
汎用プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン)やゴムを製造するためには過酸化物、Ziegler-Natta触媒、メタロセンなどの有機金属錯体触媒などが利用され、これらの触媒を使ってラジカル重合、遷移金属配位重合、リビングアニオン重合など様々な重合法が用いられる。触媒と重合の基本と将来動向について述べる。
2016年4月20日 宮崎 耕造(スミカスタイロンポリカーボネート)
石油化学工業の成長期に各社とも革新的な製造法開発に力を注ぎ、ほぼ現在の製造法を確立した。同時に商品としてのポリマーはその用途に応じた設計を求められ、多くの分野の研究者・技術者が成果を競った。その競争の渦の中で揉まれ、サウジアラビアの大型プラントに到達した一技術屋の歩みを紹介する。
2016年4月27日 細田 覚(元・住友化学)
汎用プラスチックは同じ原料から作っても、その構造は触媒や製造条件によって異なり、構造が異なることによって、例えば機械的強度などが異なる。ポリエチレン、ポリプロピレンについての構造物性相関に関する基本的な検討と、そこからの高性能化の方向性について解説する。
2016年5月11日 今井 昭夫(元・住友化学)
省燃費タイヤにおけるウエットグリップ性と ころがり摩擦抵抗のように、相反する性能を同時に満足するための材料設計は、重合技術に基づく精緻な分子設計や配合技術の集大成である。この製品例に見られるような重合~構造制御~高性能化というアプローチによる製品開発について解説する。
2016年5月18日 細田 覚(元・住友化学)
工場で生産された樹脂が最終製品になるまでには、必ず加工工程を通る。加工によって、フィルムや容器などの製品の形が作られ、また目的とする機能を付与される。ポリオレフィンを中心に実際に用いられている種々の成形加工法を紹介し、加工の工夫による機能製品開発についても解説する。
2016年5月25日 石田 雅也(住友化学)
計算機を用いて分子や高分子材料・製品の設計を行う「計算材料科学」が産業においてどのように発展してきたか、そしてこの手法が化学産業、高分子産業においてどのような役割を果たしているかを、実例を挙げながら解説する。
2016年6月1日 細田 覚(元・住友化学)
プラスチック・ゴム製品には安全で、長く安心して使用できることが求められるため、メーカーは種々の方法で材料・製品の耐久性能を評価している。空気中での熱や光による酸化、放射線や繰り返し応力など、各種劣化要因の作用と安定剤との関係、劣化の極初期を捉える化学発光による評価法等について解説する。
8.R&Dテーマの発掘と展開
2016年6月8日 細田 覚(元・住友化学)
製品寿命の短期化、社会ニーズの多様化、その変化の速さなど、21世紀になって企業のR&Dを取り巻く環境はそれまでとは大きく変化している。この状況の中で次のテーマを探索し、選択し、事業化まで進めるために必要な、アイデア創出の工夫やテーマのマネジメント、オープンイノベーションなどの方策について解説する。
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