本記事はダイセル・エボニック株式会社によるプレスリリースと株式会社八木熊からの補足情報を元に書いています。
株式会社八木熊の金属代替を可能にするCFRTPハイブリッド成形による樹脂化技術とダイセル・エボニック株式会社の超高耐熱性樹脂PEEK樹脂「ベスタキープ」の組み合わせで、耐熱、耐滅菌性に優れ、減菌処理に対応、X線透過性を有するためX線等を使用するハイブリットカテーテル手術に対応可能、SUS製開胸器と同等の強度
株式会社八木熊は、CFRTP(長繊維CF強化熱可塑性プリプレグ)を用いたPEEK樹脂との複合成形に取り組んできました。ダイセル・エボニック株式会社は耐熱性樹脂(エンプラ)から超高耐熱性樹脂(スーパーエンプラ)を広範囲に提供する材料メーカーです。開胸器は胸部の手術の際に、胸部を開いた状態で固定する道具です。開胸器は、オートクレープ滅菌、EOG滅菌などのほぼ全ての減菌処理への対応の必要があり、従来は金属製のものが使用されていました。
金属製の開胸器はX線を透過しないため、X線撮影で確認しながら手術を進めることができませんでした。また、金属製の開胸器は重いために医師の負担も大きいという問題がありました。
今回発表された「X線透過型開胸器」は、優れた耐熱性・耐滅菌性を持つダイセル・エボニック株式会社のPEEK樹脂「ベスタキープ」と株式会社八木熊が取り組んできた連続繊維(炭素繊維/ガラス繊維)で出来たプリプレグを射出金型内にインサートし、ベスタキープを高速充填するハイブリッド成形法で製造され、その優れた耐熱・耐薬品性により、オートクレープ滅菌、EOG滅菌などのほぼ全ての減菌処理への対応が可能です。
従来の金属製はX線を透過しませんが、ベスタキープ製開胸器はX線透過性があり、腹腔鏡や内視鏡を用いた低侵襲手術中に装着したままX線を使用できます。加えて、SUS製の4mm開胸器とほぼ同等の強度を実現し、更に重量を3分の2低減することにより医師の負担を減らすことも期待されています。
今回プレスリリースを行ったダイセル・エボニック株式会社は、金属代替を可能とする熱可塑性コンポジットと生産性の高い射出成形法とのコラボレーションで確立されたこの技術により、新しい可能性へと挑戦し、お客様の真のニーズにお応えすべく邁進していきます。
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