コンサルタントの部屋(大庭敏之)
氏名・所属
氏名:大庭敏之
所属:大庭塾
略歴
1969.3.31 東北大学工学部応用化学科卒業
1969.4.01 日本合成ゴム株式会社(現JSR)入社
1976~ 日産自動車株式会社入社,中央研究所材料研究部配属
(ゴム、プラスチック部品の研究)
1989~ テクニカルセンター材料技術部
(バンパー材料、外板材料など材料開発、現行車の品質問題など)
(リサイクル、環境負荷物質など環境技術を担当)
(1995~1999 自動車工業会リサイクル推進委員会技術小委員会副主査)
(1998~2009 東京理科大学工学部機械工学科の非常勤講師として「工業材料学」を教える)
2007.1.31 定年退職
2007.2.1 再雇用で材料技術部で高分子材料だけでなく材料全般の品質など担当
2012.3.31 日産自動車退職
現在 「大庭塾」を主催し、講演や若手技術者育成など進めている
得意分野
- 自動車用高分子材料の開発(特にプラスチック、ゴム材料)
- 材料信頼性技術 (多くの材料起因のリコール案件の解決など)
- 環境技術(地球温暖化、リサイクル技術、環境負荷物質,etc)
連絡方法
メール:s39h5u@bma.biglobe.ne.jp (迷惑メール防止のため、@は全角文字に換えています)
自己PR
私の経歴から最初はゴムしかやってませんでした。JSR時代から日産でもゴムを扱ってきた。ゴムは機能部品である。ゴムの機能としては大事な技術はシールと振動だと思っている。自動車業界に入ったのは機能を勉強するということではいい経験をさせてもらった。
そして1980年代になり、プラスチックの世界に入った。ちょうどバンパーがPPに替わり、樹脂外板も世の中に出てきた時代である。いずれも単なるプラスチックというよりゴムとのアロイと言ってもいい材料であり、そこではゴムの経験が生きた。いずれも内製部品でもあったことでポリマーメーカーとはポリマーの内容まで含めて論議させてもらった。いい時期にプラスチックに踏み込んだと思う。
1990年代に入ってちょうどプラスチックやゴムが関わるリコールが頻発した時期がある。リコール対応は難しい複合要素もあり、解決のためのスピードも要求される大変ストレスのかかる仕事である。しかし、この仕事は部品、素材すべて含めて総合力が必要になる。そのためにメーカーさんとは技術的には裸になって明らかにしてもらいながら取り組んできた。その意味では技術的な蓄積ができた時期になる。自慢じゃないがおそらく業界ではもっとも多くのリコールを解決してきたと自負している。
またこの90年代は環境問題も多く発生した時期である。特にプラスチックはリサイクルに課題を抱え、無くなるのではないかとか、PVCは使えないのではないかと懸念された時代である。そこでは多くの情報が錯綜するので自分で確認をしながら進まなければ間違えることになることを学んだ。自動車工業会でもリサイクルに関係した仕事をやっていたのでこの時期は人脈や視野を広げるということができた時代である。
振り返るとタイミング的にいい時期にいい仕事に巡り合ったと思っている。ゴムからプラスチックまで、さらにほかの材料まで。未来を見て自動車はどうなるか考えなければならない境遇に置かれ、現状の不具合を解析するという仕事まで多くの仕事を経験した。
今はその経験を若い人たちに伝えたいと講演やコンサルタントとして忙しく過ごしている。
主な著作
大庭敏之監修:自動車用高分子材料の開発、2000年発行 シーエムシー出版
(以下、直近3年間のもの)
大庭敏之:Polyfile 「自動車における環境問題と情報」,Vol.50,No590,p12-15 (2013)
大庭敏之:Polyfile 「自動車用材料開発と素材メーカーとの関わり」,Vol.50,No5901,p18-21 (2013)
大庭敏之:Polyfile 「高分子部品開発時の信頼性向上への取り組み」,Vol.50,No5902,p12-15 (2013)
大庭敏之:日本接着学会誌「自動車軽量化の現状と将来展望」,Vol.49,No7,p260-266(2013)
大庭敏之:プラスチックスエージ「自動車の軽量化・電動化へのプラスチックの展開」,Vol.60,Jan.,p75-81(2014)
大庭敏之:Polyfile 「自動車を取り巻く開発環境の変化と求められる技術者像」,Vol.51,No603,p24-28 (2014)
大庭敏之:化学経済「自動車メーカーが求める最新の自動車用高分子材料」,Vol.61,No7,p55-60(2014)
大庭敏之:工業材料「次世代自動車に求められるプラスチック材料とは」,Vol.62,No11,p18-23,(2014)
大庭敏之:工業材料「自動車用プラスチックの高機能化、高性能化への期待」,Vol.63,No11,p23-27,(2015)
講演実績(代表的なもの)
高分子学会年次大会、「今後の自動車に期待される高分子材料」(2014.05.29)名古屋
高分子学会 ポリマー材料フォーラム「自動車の軽量化・樹脂化の現状と将来展望」(2014.11.07)奈良
プラスチック成形加工学会 年次大会「次世代自動車に求められる高分子材料」(2015.06.04)東京
ネットワークポリマー講演討論会「今後の自動車に期待される高分子材料」(2015.10.08)新潟
日本ゴム協会2016年年次大会「次世代に期待される高分子材料」(2016.5.19)大宮
プラスチック成形加工学会「次世代自動車に向けた樹脂材料の課題」(2016.7.26)東京