Categories: 展示会情報

K2016における主要射出成形機メーカーの出展内容(事前情報)

秋元英郎

秋元技術士事務所

千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンCB棟3F MBP

 

K2016に出展する代表的な欧米の企業による事前アナウンスから得られた情報からピックアップしたものをまとめた。プレスリリースの記事だけからはイメージしにくいものもあることをご理解いただきたい。百聞は一見にしかずである。

 ARBURG

インダストリー4.0縦型成形機、3Dプリンター(Freeformer)、オートメーション・ソリューションからなる実演を行う。射出成形した部品の後に3Dプリンターで追加の造形を行うのであろうか。

軽量化軽くて強度を持ったプラスチック部品を得る技術(Profoam)を実演する。既存の成形機を用いて、歪みが小さい製品が得られる物理発泡技術である。MuCellと別な技術なのか注目したい。なお、製品の高グロス化のためにヒート&クールを併用する。

パッケージング分野における高速化:Cube Mouldの実演がある。Cube Mouldは二材成形と中間ブロックが回転する金型により金型内で組立を行う技術である。

シリコーン成形技術2種類のシリコーン樹脂を成形して、腕時計のケーシングを組み立てる実演を行う。

3Dプリンター(Freeformer):従来の3Dプリンターよりも新しい材料や部品の造形に取り組む。Freeformerが他の3Dプリンターより優れる点は格安な成形用ペレットがそのまま使える点にある。

Wittmann Battenfeld

新しいコントロールシステム(UNILOG B8:IoTに対応できるようにする。

インモールドラベル技術8キャビティでPPフィルムをインサートして貼り合せる実演を行う。サイクルタイムは4.7秒の予定。

医療用クリーンルーム内成形:クリーンルーム内で8キャビティの金型でPEEKの製品を成形し、ロボットで製品とサブスプルーを排出する。

複合材:IKVの技術で、金属のシートを型閉の動作でフォーミングし、PA樹脂を射出することで金型内接合する。

物理発泡成形(CELLMOULD:物理発泡によって軽量で剛性が高く、ソリが少ない自動車部品の成形を実演する。

二材成形(1:微細部品の二材成形(PCと導電性PC)による音響機器部品を成形実演する。2本の射出ユニットを平行に配置し、型盤が回転する。

二材成形(2:熱可塑性樹脂と液状シリコーンによる飲料カップ(8キャビ)の成形実演を行う。

射出ブロー成形:容積150mLのPPプリフォームを成形して、引続き膨らませる。2キャビティである。

縦型ロータリー成形機:インサート成形をやり易くするためにタイバーレスになっている。

オンデマンド:TPE製のショッピングバッグに個別の名前をプリントする。印刷してほしい人は事前に名前の情報を記録したQRコードを作成し、係員に渡す。

Dr. BOY

ガラスインサートとオンデマンド印刷:成形機と2台のロボットが動く。1台目のロボットが金型にガラスをインサートする。2台目のロボットは金型からインサート成形品を取出し、ビジターに渡す。ガラスには事前にビジターの名前を印刷することができる。

三次元インサート:金型入れ子が交換可能であり、三次元形状のインサートと金型入れ子を時々交換しながら成形実演する。

ENGEL

フィルムインサートとMuCellの組合せ:加飾フィルムの技術DecoJetは自動車内装部品の小量多品種に対応する技術である。予備賦形不要で、予熱して金型内で真空引きして賦形する。実演ではMuCellと組み合わせる。

複合成形による軽量化:BOND LAMINATESのTEPEXシートのインサートと金型内加飾成形の組合せで情報端末部品の薄肉部品の成形実演を行う。

金型内重合と射出成形の組合せ:強化繊維のファブリックを予備賦形して金型に入れ、カプロラクタムを金型内で重合させる。その後に熱可塑性樹脂を射出して接合する。

Husky

飲料キャップの高速成形: 前回(2013年)出展を見送ったHuskyが復帰。飲料キャップの成形システムの新バージョンHyCAP4を実演する。

KraussMaffei

複合材料との複合成形:長繊維強化熱可塑性樹脂シートを予備賦形して、熱可塑性樹脂を射出して複合化する成形を実演する。

金型内塗装:射出成形と同じ動作で金型内でPUA/PUR塗料でコーティングする。それによって表面の光沢が優れた塗装品が得られる。塗料の色替えも5分以内に完了する。

熱可塑のRTM(レジントランスファーモールディング):繊維の量、サイクルタイム、リサイクル性の点でメリットがある。

Milacron(含むMoldmasters)

バリア樹脂との共押出プリフォーム:延伸ブロー成形用のPETプリフォームをバリア性樹脂との共押出(サンドイッチ)成形する。これには縦型ユニットであるE-Multiを使用する。

MuCellとのサンドイッチ成形:化粧品容器用のPETプリフォームにMuCell成形による発泡層をサンドイッチすることで意匠性を高める。

Nestal

128キャビティ:ピペットの128キャビティ成形

薄肉・スタックモールド:射出時間が100msの高速充填で薄肉のマーガリン容器を成形する。成形と同時にインモールドラベルも行う。

plastics-japan

Recent Posts

アメリカ成形業界状況(2024.11) ―雑誌から垣間見る―

佐藤功技術士事務所 佐藤功 P…

3週間 ago

K 2025まで1年(2025年10月8日から15日まで)

この記事はK2025の主催者に…

1か月 ago

アメリカ成形業界状況(2024.10) ―雑誌から垣間見る―

佐藤功技術士事務所 佐藤功 成…

1か月 ago

N-PLUS 2024にブースを出します

N-PLUSについて N-PL…

2か月 ago

アメリカ成形業界状況(2024.09) ―雑誌から垣間見る―

佐藤功技術士事務所 佐藤功 […

2か月 ago

This website uses cookies.