秋元英郎
秋元技術士事務所
多孔質構造を持たせる方法:
①溶解したガスから気泡を発生させる方法
②分散させた発泡剤の熱分解や化学反応によって気泡を発生させる方法
③大きい気泡を剪断で分割する方法
④フィラーを分散させたプラスチックを延伸することでフィラーとプラスチックの界面に隙間を生じさせる方法
⑤プラスチックに分散させた可溶性成分を溶出させる方法
発泡剤は発泡成形において気泡を形成するためのガスを供給する物質であり、化学発泡剤と物理発泡剤に大別される。また、発泡性マイクロカプセルは物理発泡剤であるが、取り扱いが化学発泡剤に似ている。超臨界流体は物理発泡剤の一つの形態であるが、微細射出発泡成形を理解する上で極めて重要なため、分けて解説する。
発泡成形とは、発泡性のプラスチックを成形して多孔質成形品を得る成形方法である。プラスチックに発泡性を付与するために発泡剤が用いられる。ここでは、発泡成形の種類について解説する。
微細射出発泡成形を行うためには専用の設備が必要となる。具体的には、①超臨界流体発生・供給装置、②超臨界流体注入装置、③専用のバレル、④専用のスクリュー、⑤シャットオフノズルが必要となる。 代表的な産業上の利点は、①軽量化、②薄肉化、③ソリ・ヒケ解消、④寸法精度向上、⑤型締力低減、⑥成形サイクル短縮等である。
超臨界流体を用いる微細射出発泡成形は発泡剤である超臨界流体を精度良く注入することが可能であるが、設備コストが高い。設備コストを抑えた物理発泡技術の開発も多く行われてきた。発泡剤である不活性ガスを「注入」するのではなく、一定の空間に加圧して送り込んで自然に拡散溶解させるため、設備が非常に単純化できている点にある。
コアバック法はムービングキャビティ法とも呼ばれ、キャビティ容積が可変である金型を用いる。発泡性溶融プラスチックを充填する際にはキャビティ容積を小さくしておき、充填後にキャビティ容積を拡大することで積極的に気泡発生,拡大を促進させる成形方法である。
プラスチックの発泡体はプラスチックと気泡の複合体であり、ソリッドのプラスチックとは評価方法に違いがある。ここでは特に発泡体特有の評価項目に対する評価方法を中心に解説する。
発泡成形は、プラスチックのマトリックスと発泡剤の系から気泡が発生し、その気泡が成長するプロセス、気泡の壁が破れて合一するプロセス、気泡壁が固化して気泡の成長が停止するプロセスからなる。
発泡成形のシミュレーション(CAE)では、流動現象と気泡の発生・成長の両方を計算して表現する必要があり、流動解析ソフトには発泡成形用のオプション機能が設定されている。微細射出発泡成形のシミュレーションでは、成形品の部分ごとにおける気泡密度および気泡径の予測が行われ、更には反りの予測も行われる。
発泡成形においては気泡の生成・成長を制御することが重要である。そのために発泡成形に適した材料設計が行われている。ここでは発泡成形用に設計された材料の技術動向について紹介する。
発泡成形品が使われている用途を紹介。自動車内装部品、自動車機構部品や物流梱包資材,食品容器,建材,電線等
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