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展示会レポート 第2回資源リサイクルEXPO

秋元英郎
秋元技術士事務所

第2回資源リサイクルEXPOの概要

第2回資源リサイクルEXPOはスマートエネルギーWeek2020(主催:リードエグジビションジャパン株式会社)の一部として、2020年2月26~28日にかけて東京ビッグサイトの3拠点(南、西、青海)で開催された。新型コロナウィルスの感染が拡大していた時期であり、無人のブースも多い中、主催者は来場者にマスクを配って開催した。来場者数は、同時開催の水素・燃料電池展、スマートグリッドEXPO、太陽光発電展、バイオマス展、二次電池展、風力発電展の来場者を含めて2万人弱であった。本レポートでは、第2回資源リサイクルEXPOにみ報告する。

出展各社の展示

本展示会の出展の中で目に付いたものを紹介する。

DKSHジャパン株式会社

高性能溶融樹脂フィルター

同社はMAAGグループの機械設備等を輸入する商社であり、今回はETTLINGER社の高性能溶融樹脂フィルターを出展していた。

フィルターの構造は金属の円筒(図1)に微細な円錐台形状の孔が多数空いており、異物を含んだ溶融樹脂が円筒の外側から内側に流れ、孔に引っかかった異物はかきとられて系外に排出される(図2)。異物の量は16%まで対応可能で、孔径は60μmから1㎜の範囲でラインナップされている。

図1 ETTLINGER高性能溶融樹脂フィルタ(ドラムフィルタ)

図2 同社配布資料記載の原理

株式会社オオハシ

架橋ポリエチレンを成形可能な材料にリサイクル

電線被覆用架橋ポリエチレンは三次元架橋された状態で使用されているため、使用済みケーブルの架橋ポリエチレンはリサイクルができず、多くが産業廃棄物として処分されていた。同社は架橋を切ることで熱可塑性樹脂に再生する技術を確立した(図3)。図4にケーブルを粉砕したフレークと再生されたペレットの写真を示す。

図3 架橋ポリエチレンの再生イメージ(同社配布資料より)

図4 架橋ポリエチレンを再生したペレット(左)と架橋ポリエチレン部分の粉砕品(中央)と電力ケーブル断面

同社のブースには再生したポリエチレンで成形した大型成形品が展示されていた。図5は再生された材料で成形されたリピートボードである。

図5 架橋ポリエチレンから再生した材料で成形されたリピートボード

株式会社バイオマスレジン南魚沼

非食米粉砕品をブレンドしたライスレジン

米どころの南魚沼にある同社は、古古米等の食用として使用できない米にプラスチックをブレンドした「ライスレジン」の成形材料、成形品を展示していた(図6)。

図6 「ライスレジン」のサンプル

製品は使用される米の種類(精米、玄米)や添加される米の量でバリエーションがあり、米70%、51%品や米30%添加のポリエチレンフィルム等がある(図7)。

図7 「ライスレジン」のバリエーション

日本エス・アンド・エイチ株式会社

印刷したプラスチックフィルムからインクを除去して再生

同社はPolymount社のフィルム・クリーナー(印刷フィルムからインクを除去する装置)を販売している代理店である。

この装置は従来焼却処分されていた印刷済みのプラスチックフィルム(工場内で発生するロス)からインクを除去して、印刷が無いプラスチックフィルムを得ることができ、得られたフィルムは再ペレット化しても良い。

図8はブースに展示されていたパネルと使用前使用後のフィルムである。

図8 インク除去前のフィルム(左)とインク除去
後のフィルム(右)

同社はフィルムコンバーターである三井化学東セロ株式会社と組んで、実証実験(図9)を行う。

図9 印刷済み軟包材リサイクルの実証実験スキーム

おわりに

非常に小さいスペースで、出展社数も少なかったが、その中でもユニークな展示と出会うことができた。

 

plastics-japan

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