プラスチックは人類が自ら生み出した唯一の素材であり、弾性率の範囲は広く、透明なものから不透明なものまで、その範囲は広い。つまり、プラスチックと一口に言っても千差万別である。我々の生活の中でプラスチック製品は欠かすことができない素材である。
プラスチックはその歴史から、金属、木材、皮革、紙、ガラス、陶器等の代替として用途を広げてきた。そのため、先行して地位を確立していた素材の「雰囲気」を真似ることが行われてきた。その手法のひとつが加飾である。
加飾技術を分類すると塗る,造膜する,貼る,転写する,着色する,表面形状を付与するに分けられる。第1部では塗料による加飾についてまとめた。
塗料は対象物を保護,美観付与,機能付与のために、その表面に塗る材料である。通常は液状であり、乾燥や硬化によって強靭な固体の膜を形成する。本項では、新しい塗料の技術をいくつか紹介する。
第2部ではめっき、フィルム加飾、テクスチャー加飾、二色成形を用いた加飾技術等を紹介する。
プラスチックは低級で安っぽく、金属は高級であるという暗黙の前提条件がある。プラスチックの歴史はせいぜい100年程度である。一方の金属は青銅の時代から数えると約5000年の歴史がある。戦後プラスチックは金属、ガラス、木材等の代替品として用途拡大してきた。 ここでは熱可塑性樹脂の射出成形品に対する金属調加飾を中心に述べる。
ナイロン6に無機フィラーとしてのクレイをナノ分散させる技術と、これを用いた高輝度メタリック原着材料を開発した。メタリック原着NANOCONは発色の鮮やかさで好評を得ている。これはナノサイズに分散したフィラーの効果である。塗装レス・メッキレスの要望に対応し採用を伸ばしつつある。
スパッタは緻密で欠陥の少ない精密な膜ができ、対象物の制約が少ない。近年はプラスチック表面の装飾等の用途も広がりつつある。本稿では、スパッタリングの基本原理と装置、コーティングとしての特徴に触れ、プラスチックへの成膜を含めた応用分野と、技術導入の注意点について解説する。
めっきは素材表面に素材とは異なる皮膜を形成することで、新たな特性を付与することができる表面処理方法の1つである。 プラスチック材料にめっきを行うには、素材表面にパラジウムを吸着させ、この吸着したパラジウムをめっき反応の触媒として無電解めっきを行う。
めっきにより様々な金属膜を被覆すること可能であるが、その中でよく利用されるめっき皮膜として、銅めっき、ニッケルめっき、クロムめっき、スズめっき、亜鉛めっきについて解説する。
三次元転写システム「NATS(空気転写)」の開発経緯とNATSの特徴、応用展開等について紹介する。併せて前に当社が手掛けてきた加飾技術(ホットスタンプ、ロール転写、パッド印刷、成形転写システム)について触れる。
TOM工法は熱成形(Thermoforming)の一つである大気圧力を利用する真空成形において、真空孔を必要としない型の使用が可能な「次世代成形法(NGF成形)」を活用した3次元加飾工法である。Neo-TOM工法は超大型商品(自動車ボデー等)に加飾するために進化させた工法である。
加飾技術には多種多様な技術がある。塗装を不要にする技術には、塗装レス技術と塗装代替技術がある。塗装レス技術は塗装における塗膜に相当する層を省略しつつ、製品の品格を高める技術である。塗装代替技術とは塗装における塗膜を別な手法で付与する技術である。
植毛の原理は、パイルを固定させるための接着剤を基材(多くの場合プラスチック成形品)に塗布あるいは噴霧し、風、重力、静電気などで、直径10-20ミクロン長さにして1ミリに満たない微細にカットされたパイルを基材に定着させるという根本部分では共通している。
当時の成形品を1ランクグレードアップさせる手っ取り早い方法はシボ加工であった。製品意匠部に既成のシボサンプルから選んだシボを反転させることで商品の印象はガラリと変わり、高級感が増し商品にアクセントをつけるのには最も安いコストでできる最良の方法であった。
高機能プラスチック展が今回は12月5日~7日にかけて、高機能素材ワールド(主催:リード エグジビション ジャパン株式会社)の一部として開催された。また、今回から新たに高機能塗料展が開催された。併設された展示会を含めて3日間で約6万人が来場した。
本展示会の発足経緯から、フィルム加飾の比率は高いが、同時開催の展示会も含めると加飾技術を広くウォッチできる展示会である。 金属調は根強い人気があるが、黒の表現にもバリエーションが広がっている。
3次元表面加飾技術展は、コンバーティングテクノロジー総合展2017の一部分として、2017年2月15~17日に東京ビッグサイトで開催された。ナノテク展や3Dプリンター展と同時開催である。加飾技術の中でもフィルムを用いた加飾技術が多く展示されている。めっき関係はナノテク展の展示である。
逆襲とはいかにも物騒なタイトルであるが、何に対して逆襲するのかと言うと、プラスチックに対して植え付けられたネガティブなイメージである。プラスチックの逆襲とは、模倣品としての価値が低い製品から、従来の素材では達成できない優しさと親しみやすさを持った価値ある製品への転換のことであると理解した。
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